2017年5月
骨盤と骨格のゆがみが痛みにつながる理由
●骨格がゆがむと何が起こる?
骨盤のゆがみから、体全体のゆがみが引き起こされることは以前の記事で学びました。
この記事では、骨盤と骨格のゆがみが「コリ」や「痛み」になっていくしくみを解説します。前回の記事はこちら↓
「骨組み」全体のことを骨格といいます。
「骨」自体は、折れたり、変形したり、つぶれたりしない限りは、かたちがゆがむことはありません。
しかし、骨と骨をつないでいる関節部分は、伸びたり曲がったりと動くことができるので、曲がったままのクセがついてしまうと、「骨の組み立て」がゆがんでいる状態になってしまいます。

関節が通常状態ではない状態のまま止まっている「ずれている」状態です。これだけでは、そうそう「痛い!」とはなりませんから、一見無害ですし、ゆがんでいてもまだ全く自覚症状のない人も多いです。
しかし、例えば首の、傾いて縮んでいるほうの右側を見てください。
脳から出た神経は、背骨の中から、両側の穴を通って全身に行き渡っています。
膝や、肩でも同じように、神経は骨に守られて骨の近くを通っています。
つまり、骨格がゆがむと、神経の通る道が少し狭くなるのです。これを「神経圧迫」といいます。
神経圧迫がおこると、すぐには症状につながりませんが、少しずつその神経の行き先でコリや神経痛やしびれ、自律神経の異常による内臓機能の低下、骨盤ならホルモンバランスの崩れや冷え、首なら頭痛や眼精疲労……etc. さまざまな症状につながってしまいます。
これが、骨盤や全身の骨格を整えておかなければいけない理由です。
●骨のゆがみが神経を圧迫してしまうと
神経圧迫といっても、神経を直接見ることはないですし、感じられる部分も少ないですね。
神経圧迫の身近な例は、エコノミークラス症候群などの長時間の座位や、正座です。
エコノミークラス症候群とは、体を折り曲げた状態で長時間過ごすことによって血行不良がおこり、血栓がつくられ、その影響でさまざまな体の問題がおこるものです。
座ったままでいると、脚の方に重力で血がたまりやすく膝裏などに血のかたまりができやすいだけではなく、曲がったままの骨格に神経が圧迫されています。神経が圧迫されると、その神経の行き先の筋肉が緊張し、さらに血行が悪くなります。
ぎゅっと手を握りしめた腕と、だらーんと力を抜いた腕は、どちらがよく血が流れているでしょうか? 力が抜けている方ですよね。
骨格のゆがみ⇒神経圧迫⇒筋肉の緊張⇒血行不良
という流れでゆがみの悪影響は進んでいきます。
座りっぱなしでいるとき以外にも、筋肉の緊張がもとで血行不良がおこって血が運ばれにくくなると、筋肉は酸素が足りなくなり、酸欠状態になります。ここまでくるとコリや痛みとして感じるようになってくるのです。
正座をすると、さらに体重のかかり方の偏りが出てくるので、長時間血が流れにくかった脚部分がしびれ、感覚がなくなってきます。
骨格のゆがみ⇒神経圧迫⇒筋肉の緊張⇒血行不良⇒コリ⇒しびれ⇒マヒ
まで行ってしまうこともあるのですね。
●神経圧迫の影響は内臓にも
この記事では、筋肉の緊張や手足の血行について解説しました。
しかし、神経の命令で動いているのは筋肉だけではありません。心臓や肺、胃腸、子宮や卵巣などの内臓も、神経圧迫によって影響を受けます。
次の記事では骨格のゆがみが内臓機能に響くしくみを解説していきます。
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